ドクメンタ開幕の翌日には、ドイツ北西部の町、ミュンスターで開催されるアートイベント「ミュンスター彫刻プロジェクト」が幕を開けた。

「公共空間と芸術作品の関係」をテーマに、ミュンスターの街全体を会場とする、国際屋外展覧会で、1977年から、10年に1回の周期で開催され、今年で4回目を迎えた。前回の1997年の開催時には24カ国のアーティストの作品が展示され、入場者数は50万人を越えた。今年は、ヴェネツィア・ビエンナーレ、ドクメンタとも重なってさらに多くの人が訪れることが予測される。

キュレーターは、カスパー・ケーニッヒ(ルードヴィッヒ博物館/ケルン)、ビルギッテ・フランツェン(同博物館ミュンスター)、カリナ・プラート(ヴェストファリア博物館)の3人。今年は日系のオランダ在住アーティスト、スーチャン・キノシタを含む33人のアーティストが選ばれた。キュレーターによって選定されたアーティストたちは、事前にミュンスターに滞在し、地理や歴史、文化などを調査して、作品のプランと設置場所を決める。

会期が終わってもそのまま設置されたままの作品が多いので、回を重ねるごとに街中のアート作品は増えていく。また、屋外設置の大型作品だけではなく、建物内で映像作品を公開したり、パフォーマンスを行うアーティストもいる。

ミュンスターの小ぢんまりとした街は、自然が豊かで散策に最適。作品所在地の地図を片手に自転車に乗ってハイキング感覚で作品を鑑賞することができる。体力に自信があれば徒歩でも十分に回れる。

地元住民との対話を重要視し、10年に1度というロングスパンで慎重な運営を行ってきたので、地域住民にも広く受け入れられている。プロジェクトの会期中は、普段は静かな小さな街にたくさんの人々が訪れるので、町興しとしても成功しているといえるだろう。日本の「越後妻有トリエンナーレ」はミュンスター彫刻プロジェクトをモデルとしたともいわれている。

是非、夏の旅程にミュンスターを加えてみてはいかがだろうか。