4月21日(土)の西洋美術オークションでは、テーブルランプ、ガラス工芸、ブロンズ彫刻、家具、ペルシャ絨毯など一堂に集まります。今回はその中でも一際目立つ、ジノリ・DOCCIAの飾壷とティファニーのテーブルランプをご紹介いたします。



ジノリ・DOCCIAとは、現在のリチャード・ジノリの前身をさし、マジョリカ陶器全盛のヨーロッパにおいて、すでに陶磁器に着手していたマイセンやヴィエナなどに対抗すべく、1735年にトスカーナ大公国のカルロ・ジノリ侯爵(1702−1758)が自領ドッチアに磁器窯を開いたのが始まりです。彼自身が鉱物学に造詣が深く、自ら原料土を探し成型や絵付けなどの研究を重ね、イタリア初の白磁を完成させます。そして優れた画家や研究者を招き、聖職者や貴族を顧問に助言を受けることで作品の芸術性を一層高めていきました。開窯当初は、マイセンのような豪華で精緻な芸術性を求めていましたが、後に貴族たちの注文に応じて食器などをつくるようになり、産業としても大きく発展していきます。19世紀半ばには他のヨーロッパの名窯と並ぶ高い評価を得る窯に発展しましたが、1896年、ミラノのリチャード社と合併してリチャード・ジノリ社が誕生し、以後は伝統的な作風に加え、時代の変化に伴う新しい作風が開発されていきます。20世紀前半、アール・デコの時代には、イタリア建築家の父といわれるジオ・ポンティ(1891−1979)によるシンプルな作品が作られるなど、現在も最先端の芸術家を参加させており、斬新な作品を数多く生み出しています。

本作品は高さ1メートルを超えながらも磁器の薄さにより軽やかに見え、装飾性のないシンプルかつシャープなフォルムはモダンなデザインに仕上がっています。また、赤を基調とした色使いや胴部に描かれる古代ローマの様子はボンベイの壁画を表現し、様々な要素を巧みに盛り込み、きわめて高い芸術性を持った作品に仕上がっています。



本作品は、ルイス・カンフォート・ティファニー(1848−1933)が設立した室内装飾会社「ティファニー・スタジオ」で制作されたものです。彼はジュエリーなどで有名なティファニー商会創立者の長男として生まれますが、宝石商の仕事に携わることを拒み、兼ねてから興味のあった印象派等のフランス絵画を学ぶため、ヨーロッパに滞在します。そこで当時のフランスでガラスの可能性を追求していたエミール・ガレ(1846−1904)の作品群に感銘を受け、アール・ヌーヴォーの装飾美術やインテリアデザイン等の世界に興味を抱いていきました。1879年、ニューヨークに自分の工房を構えると、アール・ヌーヴォー独自の自然な色合いを表現したガラスの開発に力を注ぎます。初期は主としてステンドグラスを制作していましたが、1890年代頃から花瓶、オイルランプ、シャンデリアを多数制作するようになります。1899年、本作品のように鉛で枠組みされたランプが初めて制作されます。これは長年ステンドグラス作りで蓄積された色ガラスの破片をランプのピースへと転用し、制作されました。1900年のパリ万博では100点以上ものガラス製品、ウインドー、ランプなどが出展され、世界的芸術家としての名声を確かなものにしました。


■下見会のご案内■
西洋美術オークション下見会は4月18日(水)より行います。
上記二点を含め、全出品作品をご覧いただけます。入場無料ですので、どうぞお気軽にお越しください。

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配信日:2007年3月 / Copyright 2007 Shinwa Art Auction, Co. Ltd. All rights reserved.