当社16年の歴史で初となる、記念碑的な第一歩―― 「コンテンポラリーアートオークション」を開催いたします。
ジャン-ミシェル・バスキア
Return of Central Figure
Copyright 2006 The Estate of Jean=Michel Basquiat
 
  ポップアートの旗手としてマリリン・モンローを擬した作品で知られるアンディ・ウォーホルや、壁に描き殴った落描きのようなペインティングで知られるジャン=ミシェル・バスキアらは、今や世界的な「巨匠」として、数億から数十億単位の金額で取引されています。この現状に対し、日本のオークション市場はこれまで横山大観や梅原龍三郎等の作品をマスターピースとして認識し、未だ現代作家の市場を確立するには至っておりません。

  シンワアートオークション株式会社は、この後者の作品群もあくまで尊重しつつ、リーディング・カンパニーが果たすべき役割として、現状に一石を投じてゆきたいと考えます。世界の美術市場との溝を埋め、また我が国が持つ素晴らしい美術品の数々を還流させるべく、日本に魅力的で活力あるコンテンポラリーアートの市場を開拓してゆこうと、本オークション開催に踏み切りました。

  本オークションには、前述の二人の1960年代アメリカン・ヒーローの大作が出品されるだけではなく、現役の東京藝術大学院生でありながらも、東京都現代美術館でこの春開催された展覧会で入り口を飾った松井冬子のような、きわめて挑戦的で刺激的な若手の作家の作品までがロットに組み込まれています。
  また、近年欧米でとりわけ高い評価を受けている村上隆や奈良美智、六本木の夜を照らすデジタルカウンターで知られる宮島達男の代表作、そして昨年、森美術館で大規模な個展を催した杉本博司などの作品は、これまで多くの日本人から愛されながらも、オークション市場では欧米中心でしか流通してこなかったが故に、入手困難であったものです。世界的評価を受け世界中の美術館からオファーを受けてきた、今まさに油の乗った作家たちの作品を、この五月には銀座で一堂にご覧いただくことが出来るでしょう。

アンディ・ウォーホル
Myths (MICKEY MOUSE)
Copyright 2006 The Andy Warhol Foundation for Visual Arts, Inc.
    アンディ・ウォーホル《Myths (Mickey Mouse)》は、芸術の一点主義と神秘性を偽悪化し、大量生産・大量消費する社会を隠喩した、コンテンポラリーアートを象徴する作品と言えます。ミッキーマウスという主題とその作品の知名度は、戦後の美術がアメリカを中心としてきたことを感じさせますが、他方では、1億8千万円〜2億2千万円というエスティメイトも、本オークションを象徴する作品と言えるかもしれません。今回のオークションでは、より入手困難で高品質の作品を厳選し、29ロットという限られた作品数でありながら下限総額3億円以上の品揃えを予定しているからです。

  ルノワールも、セザンヌも、ダ・ヴィンチですら、同時代に生きていた美術愛好家たちに支えられてこそ、その珠玉の作品群を後世に残し得ました。最大のパトロンは最大の消費者である現代において、2006年5月の本オークションは、まさに同時代(Contemporary)の美術をオークション市場全体で支えてゆこうとする意欲的な試みなのです。